2012年4月22日日曜日

iriver StoryHD Basic 1.28 + Font MOD review

BASIC を 最新のFirmware 1.28 にして、先日紹介したFontModを適用してみたので改めて紹介。

重ね重ねですけど、FontModを作ってくださった方に本当に感謝。制作に2日間要したそうで、その労力もですけど、Hackできる可能性がわかっても、本体壊れる可能性もあるのに自分で人柱で試すってことが凄いし、それを無料で公開してくださるなんて、、、ありがたい。
私も何か人様のお役に立てることが出来ればイイのだけど・・そういう技術は全く無しなので、、StoryHDや電子書籍端末に興味ある日本人の方に、ちょっとでも役に立てれば、、、と、今日も記事書きます。


BASIC Ver1.28 EU です


まずは、この記事で紹介している機器、Firmware、MODについて説明。
本体はイギリス、ドイツなど欧州で販売されている 『Story HD BASIC』 です。
Firmware は 本日現在、公式でBASIC最新の 『1.28』 です。
日本語フォント入れ替えModは 『MeiryoUI』 のttfと、『小塚明朝』のotfです。

MeiryoUIフォントは Windows7 OS標準の C:\Windows\Fonts\meiryo.ttc を  BREAKTTC.EXE で TTFに分解したものです。 (BREAKTTCで4つのフォントが生成されるうちの、FONT02.TTF を iriverSD.ttf にリネームしました)

小塚明朝フォントはAdobePhotoshopCSのもの。
小塚フォントはAdobe市販製品でなくとも、旧バージョンのAcrobatReader8をお持ちであれば、
C:\Program Files\Adobe\Reader 8.0\Resource\CIDFont
C:\Program Files\Common Files\Adobe\Fonts
このあたりに、KozMinほにゃらら.otf というファイルがあり、それが小塚明朝のOpenTypeフォントです。
KozGoほにゃらら.otf は ゴシック体。
これらのファイルは、フォントが埋め込まれていない日本語PDFを表示する際に使われるフォントのようです。
なお、現行のAdobeReaderは実行ファイルかDLLの中にフォントが含まれているようで・・上述のようにOpenTypeフォントファイルのみを取り出すことができません(たぶん)。 Adobe製品に限らず、マニュアルがPDFで提供されていた古いWindowsソフトのCD-ROMの中に AcrobatReader8日本語版が入っているものをお持ちであれば簡単に無料入手できるかもしれません。
小塚フォントの利用許諾については、ちょっと調べたところ、「Acrobat(AdobeReader)でのPDF表示利用に限る」ということで、↑の写真の通り、StoryHDはAdobeReaderの公認ロゴ付機器だし・・、個人利用だし・・まぁ、OKだろうと判断しました。

小塚明朝フォントのotf を、日本語フォント入れ替えModの手順に従い、『AdobeHeitiStd-Regular.otf』 にリネームします。 ちなみに、"AdobeHeitiStd-Regular.otf" とは、どういうフォントなのか? と調べたところ、前述の 日本語の小塚明朝に相当するものが、中国語のそれであるということがわかりました。 AcrobatReader8中国語版は、中国語を表示するための、AdobeHeitiStd-Regular.otf  が付いており、PDF表示機器にも、そのフォントが同梱されて出荷されている・・ということなのでしょう。 中国語で利用する人には便利なフォントなのかな。


ファイル名表示、メニューフォントが MeiryoUIに変わった


StoryHD は Mod改造しなくとも、標準仕様で日本語の漢字かな混じりのファイル名表示ができるのは、全くそれができない、nook や、海外版SonyReader(たぶん)に比べたら日本人利用として大変便利です。しかし、フォントが中国フォントで汚い・・という気になる点がありました。

↑フォント入れ替えによって、綺麗な日本語文字になりました。
 MeiryoUIフォントは、WindowsUI用のフォントで文字幅が固定でないプロポーショナル(例えば、『く』と『ね』では文字幅が全然違う)のため、半角英数字、平仮名、カタカナ、漢字 など文字種によって同じ幅の中に表示できる文字数が可変となります。
半角英数小文字は39文字程度 (『i』 『j』 『l』 などが多いほど沢山表示できる・・)
全角平仮名のみは27文字程度、全角漢字のみでは最低でも21文字は表示できてますね。

[作者名] 作品名.拡張子

で書籍ファイルを管理している人も、これだけの文字数表示できれば結構使えるんじゃないでしょうか。
日本語TTF(TTC)フォントは年賀状ソフトとか、オフィス・ワープロ系ソフトに色々付属しているし、ネット上でもフリーのものが沢山公開されているのでので、個人利用の範囲で・・ということで、明朝・ゴシック・丸ゴシック・毛筆・手書き・ペン字など、好みのモノを楽しむとイイですね。

1行に、もっと沢山の文字数を表示させたいなら、、未確認ですが、武蔵システムの半角フォントを使うといいかも。UI全部が半角になるので、逆に見にくいかもしれませんが。

↑の画像のように、StoryHD Basic 1.28 は9行表示できます。 米国のStoryHD Wi-Fi 1.29 は GoogleBook仕様のため、8行表示です。

1) 『日本語フォントがないので 日本語ファイル名表示が全く出来ない』

2) 『日本語表示可なフォントが入ってるので、 一応日本語ファイル名表示可能』

3) 『自分の好みの日本語フォントで、美しい日本語ファイル名表示可能』 
NOOKなど、1)の電子書籍リーダー端末も市場にあるなかで、 iriver StoryHDは、今回の日本語フォント入替Modにより 2) → 3)になったワケです。 素晴らしい!

mod,hack,改造 と言っても、、他機種よりは全然簡単で敷居が低いですね。




フォント埋込なしのPDFでも美しい日本語表示ができるようになった


今までは、『日本語テキストファイルを美しい縦書き表示』で読むには、青空キンドルからのダウンロードや、ChainLPなどで日本語フォントが埋め込まれたPDFか、画像化したものを利用するだったワケですが、、

↑の画像、
最初の行は、青空文庫で公開されている ドグラ・マグラ の テキストファイルで 916KB
2~4行目は、青空キンドルにてフォント埋込でダウンロードしたPDFファイルで 2291-2676KB

そして、5行目が今回紹介したい、『青空文庫形式のテキストファイルをPDFに変換するツール、略して「青P」 Ver2.04』 の試用版にて フォント埋込なし出力したPDFファイルで 1013KB です。

ファイルサイズがオリジナルのテキストファイルと殆ど変わらないコンパクトサイズのPDFなのに、フォント入替Modにより、こういう表示ができるようになりました。

↓小塚明朝です。


↓拡大撮影 (画面保護フィルムですw)


↓太字の小塚明朝フォントを使うとこんな感じ
(個人的には、小塚明朝は横線が細すぎるのが気になるので常用には向かないと思ってる)


ということで、テキスト系のファイルを沢山読みたい人には、コンパクトファイルサイズで美しい日本語表示ができるようになった日本語フォント入替Mod、非常に嬉しいですね。

青P 試していただくとスグにわかると思いますが、フォントを埋め込まないので、テキスト→PDF変換が非常に高速です。

シェアウェアで、試用版には
・出力PDFの全てのページ四隅に「試用中」の文字が入る
・設定の保存ができない
・連続自動変換のツールが利用できない
という制限がありますが、それらを気にしない人なら結構使えます。
(ちなみに、フリーソフトの旧バージョンも公開されています)

私は海外在住でちょっとVectorへのシェアウェア支払いが困難なので、日本に帰ったら購入しますっ!

↑↑の画面例は、A4で余白を多めに出力し、StoryHDでPDF拡大表示してるので、「試用中」の文字が見えなくなってます。 ファイルリストの縮小プレビュー画像だとわかるかな。



電子ペーパーで読みやすいようにフォントを加工する方法


↑↑で書いた
個人的には、小塚明朝は横線が細すぎるのが気になるので常用には向かないと思ってる
を 自分の好みのフォントに加工してみます。

-- 漢字の横線を太くする変形 --
例えば漢数字の「一」「二」などの横線が細すぎて電子ペーパーでの表示時に擦れ表示で読みにくいっ、と思う人は試してほしい

OTEdit for Windows (武蔵システム)
http://www.musashi.or.tv/otedit.htm

を、インストールし、

メニュー → ファイル → 一括コピー

コピー元ファイルに加工したいOTFファイル名
コピー先ファイルに加工後のOTFファイル名

コピー先フォントの種類は、元ファイル名に"Pro"の文字が入っていればProを指定

コピー先を同じアセント・ディセント に チェック

変形「太さ変更」を選び 設定ボタンで 縦にチェック、変化量を8(適当)

ちなみに上述の"8"という数字は 8ドットいう意味ではない。 フォントデータは縦1000(または500)の網目で作られているので、その割合での8(1000なら0.8%?)ってことだと思う。
メニュー → フォント情報 → メトリクス の アセント値とディセント値の合計値 を 参照すべし

コピー文字コード 通常はコピー元、コピー先にチェック

コード種別は CID (またはUnicodeで)

で、出力されたOTFファイルダブルクリックで開いて、元フォントに比べてイイ感じのものができたら、
『AdobeHeitiStd-Regular.otf』 にリネームしStoryHDの hackフォルダにコピーで、、(略

コピー元の文字コード で 3041-31FF(たぶん?)を指定すれば、コピー元の平仮名・片仮名を、コピー先のotfに合成できます。例えば、平仮名・片仮名は丸ゴシック体で、漢字は明朝体 とか、、 漢字に対して平仮名・片仮名は文字幅高さの違う文字にしたいとか、自由にできますね。

↓変形 太さ変更 縦8 を 行った小塚明朝。
線が縦方向に太くなったので、より、黒く濃いハッキリ表示になりました。
 


↓最近のお気に入り 「2段組出力」   XGA解像度ってイイよねっ!


 ちなみに↑の2段組、 青P2.04 試用版の設定はこんな感です ↓
これで出力したものを StoryHDに転送して、2段階ズーム(拡大)すると↑になります。

好みのフォントに 好みの変形を施して 好みのフォントサイズ・行間・文字間で 心地良い読書どぞっ!