2013年6月12日水曜日

Kobo aura HD 買った 其の八 色々所感

↓右上部分の拡大  (高村薫 著/照柿 単行本 より)

今回は近況・感じたこと・色々ざっくばらんに書きます。

Kobo aura HD (6.8インチ、1440x1080px)にて、スキャン自炊の2段組小説の表示です。
StoryHDなど、6インチ XGAの端末では、ノンブル領域(ページ数表記部)など、上下の余白をかなり削らないと読みにくかった2段組小説も、 Kobo aura HDなら、ノンブル・余白切り詰めしなくとも、文字潰れなしで快適に読めます。

こういう自炊読書を楽しみたい人に、さらにお伝えしたいのは
「バッテリー減らないんですけど・・どんだけ長持ちですか?」的なこと。
 100%の満充電状態から、8日間で4冊、途中何度もスリープ・電源オフ→オンを行なって計2600ページ送りしたけどバッテリ残量表示91% ですよ。 すげーー。 本気充電は月に1回するかどうか、1年に10回程度で問題ないのでは・・と。(ライト・Wi-Fiともに常時off、ページリフレッシュ6ページ毎、SDカード装着無し、1440x1080・16色グレースケールに最適化したPNGをzipで固めたCBZにて)

液晶タブレットだとどうしても1~2日毎に充電作業をせねばならないですけど、『リチウムイオン電池を長持ちさせるには充放電の回数を・・・』的な心配も不要で使い続けられますよ、Kobo aura HD。

以前書きましたけど、背景の白地の部分の見え方は光源環境によって、かなり変化しますが、自然な心地良い白色に見える感じは素晴らしいし、Kindle Paperwhiteと異なりライトを完全OFFできるし、ライト使ってもムラが出来ない。 ページ送りのタップ操作の応答性はキビキビしていてモッサリ感がない。




ぶっちゃけ、Kobo aura HD って、購入前は、そんなに興味なかったです・・。
購入前に思ってたことは、
「大きな変化のないマイナーチェンジ的な似たような製品での競争ではない、革新的な超解像度パネルとムラのないライトを開発し製品化したのは確かにスゴイ!」 けど。。。
「高価」  「デカイ? 重たい?」 「XGAのStoryHD持ってるし・・」  「KoboはCBZ閲覧できるのはいいけど、フォルダ管理出来ないのが自炊野郎には面倒そう」  「物理ページ送りボタン無いし・・」   とか、
さらには、「Kindle Paperwhiteの後継機 / 経営者変わって本気出してくれるかもしれない Sony Readerの後継機 / 日本楽天での Kobo aura HD発売&日本人レビュー」 を見てから、自分に魅力のスペック・価格のものを購入すればイイんでないか・・・ とか。

でも、「縦1440pxなら、あの自炊本も、快適に読めるかもしれないッ」 と、StoryHDの、個人的には充分・オールマイティではない、XGA解像度へのちょっとの残念感をいつも感じてたのも事実。




で、衝動的に買ってみたら・・・毎日使い倒し。  PC・タブレット・TV見る時間を減って、読書しまくり。
もうダメすね、 Kobo aura HD  失ったら、快適な生活リズムが破綻してストレスになりそう。。
ステマじゃなくて、本当にいい製品です、解像度必要な和書自炊読書野郎には。

また書きますけど、6.8インチという大きくなった画面は、日常生活ではメガネ、読書時は裸眼のオッサンの私にはとても快適。 縦1440px解像度のおかげで余白ありの、普通の紙ページ的表示でも文字が潰れない。 キビキビページ送り。 バッテリー長持ち。白地が美しい・・・。

先日、新 Firmware 2.6.1へアップデートしまして、気になっていた問題が解決しました。

・EPUBを開いた時に、毎回、強制白黒反転で数回フラッシュする・・がなくなった。
・EPUBでフォント変更し、電源オフ・オンするとフォント変更が無効になり、外部フォント選択がしばらくできなくなる・・の不具合がなくなった
・EPUB表示時に使われる明朝フォントが若干見やすくなった。(フォントは変わってないと思う、フォントレンダリングが改善された?)
・USB転送、遅かったのが、若干早くなった
・ブラウザが若干使いやすくなった


StoryHDユーザーとして、Kobo aura HDに感じる残念点は、まぁ、色々ありますよ。オンライン認証が必須で完全オフラインでは使えないとか、、片手で安定持ち操作できないとか、指紋付着しまくりとか、超解像度大画面なのにUIの情報量が乏しいとか・・・。
けど、フォルダ管理出来ない使いにくさは、本棚を作ると、その本棚へのショートカットがホーム画面に現れるので、読みたい本へのアクセスはあまりストレスを感じません。

StoryHDでは不可能なったEPUB3の日本語縦書き表示や、日本語ソフトキーボードで日本語入力でき本文検索・日本語辞書引きできるは、日本国外で販売されている端末としてはありがたいこと。

そして、ページ送り。ホームボタンすらも物理ボタンが全く無いタッチパネルオンリー操作ですが、メニュー画面では若干モタツキはあるものの、本を開いてしまえば、もうキビキビ追従しますし、指の腹ではない、指の背中でコツッとやってもキッチリ反応してくれるで、これも予想していたほどのストレスではありません。ページ送り時にページ送りボタンを押下した音がしない完全無音や、大きなページ送り認識エリアのどこかをコツッとややるだけで反応することや、読書中の右上コーナーをタッチするだけで栞マーク完了するのはメリットに感じます。

ただし、↓↓ これ 。


StoryHDの物理ページボタンって、下部中央にあるので、寝っ転がって天井方向を見ながらの、左手でも右手でも、片手での安定持ち&ページ送り操作ができ、「ゴロ寝読書野郎」には便利だったです。↑の画像だと左手は完全に布団の中でも読書できました。(画面への光源確保は必須ですが)
Kobo aura HD はダメですね、これ絶対にできない。 ページ送りには両手必要。背面側に指を入れて本体保持できるケースが発売されれば可能かもしれないけど。 個人的にはこれが残念ポイントです。 側面を布団に密着させて・・の完全、真横向き読書はできるけど、私は仰向けで読書したいのさ。
ゴロ寝読書利用・操作を最初から想定して開発された(前面の固定位置での親指操作か、背面の指操作でのページ送りができる)電子ペーパー端末が発売されたら、売れそうな気がします。
後日紹介予定ですけど、私は、Kobo aura HDをスタンドに固定してゴロ寝読書するようになりました。

重さに関しては、画面が大きくなってる分、 Kindle Paperwhite の213グラムより、 Kobo aura HDの240gのほうが個人的には軽く感じます。

ちょっと持ちにくいと感じてたこと、画面周囲のフレームと背面に指紋がベタベタ付着しまくりで気になる・・の点は安いケース購入&装着にて解消しました。(これも後日紹介予定)

海外からは日本語電子書籍を買えない・・ という点は、楽天だけでなく、Kindleも日本の大手出版社の本は海外野郎には売らない(個人出版の和書はイギリスアマゾンでも購入可)ポリシーのよう。(日本発行クレカ、日本住所登録・・などの条件をクリアすれば可能らしい) でも、ネットで中古本買ってスキャン代行業者さんに送ってデジタル自炊輸入出来てるし、それを快適に読める端末として Kobo aura HDは問題なし。

想定してなかったのは、Kobo aura HD で和書自炊読書を始めたことで、高解像度のPCモニターを無性に買いたくなったこと。 ChainLPで、ガンマ・白黒濃度調整・傾き補正・余白調整など施した16色グレースケールのPNGを生成する作業は 今までの電子ペーパー端末利用時にやってきたのと同じ作業ですけども・・。
私は、DELLの古い2405FPWという初期の1920x1200モニタで、タスクバーを画面右側の縦表示に移動しての運用で、かれこれ7年程、特に不自由なく使ってきましたが。
StoryHDの縦1024への画像加工をするには、実寸表示できてたんですよ、ChainLPのタイトルバー、メニューバー、最下行のステータスバーエリアを表示していても、1200ピクセルのモニタだったから。
ところが、Kobo aura HD の縦1440! 通常の横画面では実寸表示無理! よって、今まで使うことのなかった、「CTRL+1」 「CTRL+2」 という操作を頻繁に行うことになり、プチ面倒を感じるようになった。それを解消するのは高解像度のモニタへの買い替えが必要で。 最近、東芝・富士通からIGZOパネルの超高解像度ノートが登場したようだけども、IGZOモニタの単体品が、安価にイギリスでも購入になって欲しいです。デジカメ写真撮りまくってる人にも需要あるよね、なんでモニターを先に売りまくらないのだろ? Windows8が嫌いなんだよ・・、ノート一式は不要なんだよ・・、安く売ってくれよ・・って人、多いだろうに。
話それました。 もうひとつ、ChainLP繋がりですが、『本文ボールド化』 という、文字を太くする設定がありますよね。1ピクセル単位での設定なんですが、今まで、SVGA・XGA画像で1ピクセル太くすると、なんか野暮ったく惜しい仕上がりになったりしがちだったですけど、Kobo aura HDの1440x1080に対する1ピクセルボールド化ってのは、かなりキレイな仕上がりになりますね。超解像度、スゲー って思います。




今は、「もう一台買いたい!  もう、XGA機には戻れないぜ! SVGA機のKobo mini、 Nook の安売りにも全く興味沸かないぜ! 」 とまで思うようになり、  暇があれば Kobo aura HD を突発的な安売りが無いものかと調べておりまする。
が、基本、『売ってない』 『安くない』 なんですね、イギリスでは。 Kobo製品でも、Glo や、Touchは結構、どこでも売ってるんです。 ところが、 aura HDは正規販売はWH Smithの通販のみ。楽天傘下のplay.com にも売ってない。 超限定的な販売。 いい製品なのはワカルけど、価格や販売方法は何とか、積極的に売る気・やる気の改善をして欲しいところ。



Kobo、aura HDのデザインと海外展開について語る
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1306/11/news100.html


>>aura HDは短期間で同社のハードウェア販売の25%以上を占め
25%てのも、発売直後ならそうなりますよね。
企業経営、ニーズに合った製品開発としては、もっと高い%になるべきとも思えますが・・。

>>kobo gloをペーパーバック小説に例えると、auraはハードカバーにより近い。顧客はこの大きめのディスプレイによって製品を認知しているようで
6インチ機種では小さくて読みにくいから、それより大きな6.8インチのほうがいい、という意味で主認知されているのだとしたら、1440x1080pxの価値をユーザーにうまく提案出来てないのでは? もし、6.8インチでXGAのKindleが安価で発売されたなら欧米人はそれに飛びついてしまうのではないだろうか?

>>プレミアム価格にもかかわらず、非常によく売れています
「お求めやすい価格」ではない、「プレミアム価格」だそうな。安くなることは無さそう?

>>aura HDに施したデザインは本のページを模しており、ページ送りの様子を見ると、紙に非常に近いです
紙に近いデザインというのなら、紙のように、指紋が目立たないデザインにして欲しかった・・

>>3台の電子書籍リーダーを1人の技術オタクに販売するよりも、1台の電子書籍リーダーを1人の書籍愛好者に販売したい
私のような人は「技術オタク」に相当するんだろうな。なんかガッカリな発言。
まずは、技術オタクの関心を引く、技術オタクに認められる、という製品でなければ、レビュー記事も書かれないし口コミも広がらないし。話題にならない製品の評判がなかったら書籍愛好家も買いにくいと思う。技術オタクの人が「こりゃダメだ!」ってあっちこっちで書いてる製品を誰が買いたいと思うのか。電子機器なのだから。 
では書籍愛好者のための最善を尽くした製品・サービス(Koboの電子書籍販売サイトの作りとか)になってるかというと、まだ残念点は多いし、全力尽くしてない感。
 auraは購入しようにも高いし、体験しようにも展示実機を触る機会が少ないし、純正カバーも乏しいし・・・技術オタクも、書籍愛好者もなんだかな・・と感じられる発言。

>>Koboは楽天の支配を受けておらず、自律的経営が許されています
筐体に楽天のロゴが入らなかったのは個人的に嬉しい。
でも、海外からも簡単に日本コンテンツを購入できるような支配・影響は受けて欲しいし、UIや日本人としての使いやすさ追求にも、意見・行動できる日本人設計者を取り込んでほしいところ。
将来、日本楽天のオリジナル設計・開発の端末(現在販売中のコンテンツを閲覧できる)も登場しそうですね。 EPUBビューア部はACCESSの開発だし、日本語利用ではマージン変更出来ないとか 欧米KOBOの良さを反映出来てなくて影響を受けてないし。ネット上でのコンテンツ販売手法も新スタッフで再開発したほうが、より売上が伸びそうだし。