KOBO Wi-Fi レビュー の 其の弐です。
KOBO Wireless (以下Wi-fi) (2010年10月に139.99ドルで発売された電子ペーパー端末)です。
電子ペーパー他機種とのスペック比較ページによると、
E-book Reader Matrixとなっています。 しかし、 私が入手したものは、194g だったり、 利用可能容量が1.3GBあって明らかに1GBを搭載しているとか、スペックが異なるのが謎ですが、 和書スキャン自炊読書野郎として気になる
http://wiki.mobileread.com/wiki/E-book_Reader_Matrix
Kobo Wireless eReader / 184 × 120 × 10 mm / 221g / E Ink Vizplex / (90 × 120mm) 6" 600 × 800 pixels, 167 ppi / 16 Grey Levels / Epson Broadsheet (S1D13521) / < 1 s / Li-Polymer 1000mAh / 10'000 pages / Linux 2.6.18? / Freescale i.MX357 / 128MB RAM, 1GB Flash / SD/SDHC up to 32GB / USB 2.0 (charging), WiFi / PDF, EPUB, (JPEG, PNG, TXT, BMP, TIFF, RTF, HTML, CBS, CBR - Supported but not advertised) ・・・
『E-Ink Vizplex, 600 x 800 pixels, 16 Grey Levels, PDF, CBZ(ZIP) 』
について写真レビューを書きます。
↑まず、コレ。 600x800で、上下左右余白なしの全画面表示ができます。
ただし、PNG,JPGなどの画像をzip圧縮したファイルを CBZ にリネームした、画像zipビューアとして利用するときのみで、PDFについては全画面表示はできません。
紙本で余白なしのフルページに書かれたコミックや、小説の挿絵・図表など、電子ペーパー端末上で強制的に変な余白を見せられることがない・・のはいいですね。 縦800ピクセルをフルに使えるので、読みにくくてもいいから実本のノンブル(ページ数表記)や、柱(欄外の章・見出し表記) を削らずにギリギリ見えるようにトリミングした自炊データを作るなど、600x800全画面表示ができない端末よりは自炊ユーザーには便利です。
↑接写。 画面内画像はフルカラー24bitのデータを表示させています。 16階調グレースケールへの変換表示は端末機能によるものです。
↑さらに接写。 個人的には結構綺麗なグレースケール減色をやってるなと感じました。
後にStoryHDのpearlパネルとの比較画像も紹介しますが、KOBO Wi-Fi の E-Ink Vizplex パネルは、旧世代ということで、白が白っぽく、黒が灰色っぽく表示されます。
↑電脳コイル 小説 本文。 全画面表示ですが、敢えて読みやすさのために、ChainLPで上下に15ドットに余白を追加しています。これぐらいの文字サイズの小説だと、私個人的にはSVGA機でも問題なく読書できます。 他機種のように、ページ数やファイル名、バッテリ残量などのシステムによる強制表示がありません。
↑ ハリーポッター アズカバン。 同じく、ChainLPで上下に15pxの余白を追加。
このサイズの小説読書は、私個人的には、「超快適ではないけど、まぁ読める」という感じ。XGAのStoryHDのほうが文字が潰れにくく、よりハッキリ鮮明表示されるので読みやすいです。
当たり前ですが、自炊画像読書端末として、「小さい文字の本を読まない。 コミックの台詞のルビ(ふりがな)や、イラストの線の潰れ、活字の潰れが発生しても気にならない・気にしない。」 の人はSVGA端末で全く問題ないでしょう。
対して、「小さい文字の本(も)読む、 2段組小説(も)読んだりする、 できる限り文字の潰れはなく鮮明なほうが良い」という人は XGA、またはそれ以上の高解像度機の読書のほうが読みやすく、快適です。
和書では小さな文字のルビ(ふりがな)に、本文単語と違う読みを表記や本文単語の補足説明が書かれるものがあり、それが結構長文だったり、頻繁に登場したり・・。 そういうのを読む機会のある人は、やはりXGA以上の高解像度機をお勧めします。
↑PDF表示です。青P&青キンフォントで、フォント埋め込みです。
ファイル名とページ数が常時強制表示されますので、それを考慮したPDF作成が必要です。
日本語が読みやすい電子ブックリーダー「Kobo eReader Touch」
http://k-tai.impress.co.jp/docs/column/todays_goods/20120606_537701.html
>目的である自炊書籍の閲覧についてだが、PDFの表示についてはやや難がある。上端(ヘッダー)で10ピクセル、下端(フッター)で40ピクセルほどが表示されない、ヘッダー・フッター領域があるのだ。フッターの40ピクセルはシステムが管理するページ数の表示される領域で、設定メニューから消すこともできない。ヘッダーは特に何も表示がない、よくわからない領域だ。実はKindleでもPDFを表示すると上下・左右で表示されない領域があるのだが、収まらない部分は自動的に縮小して表示される。eReader Touchでは縮小されず、上端・下端のエリアともにPDFの上に重ねて表示され、文章が見えなくなってしまう。
と、同様の仕様と思われます。 日本で発売される、楽天 KOBO端末は改善されるでしょうか?
なお、KOBO Wi-Fiには日本語フォントが搭載されていません。 ので、漢字・ひらがな等、半角英数文字以外は文字化けします。 ファイル名のほか、PDF内に含む栞・見出し情報も英数字表記にする必要があります。 KOBO Touchはユーザーが任意のフォントを追加可能だそうです。
↑StoryHD (768x1024, XGA解像度, pearl) との比較です。
同じPDFテキストを表示しています。
私の写真撮影技術がダメなのと、旧機種デジカメのため分かりにくいかもしれませんが、
Kobo Wi-Fi : 白地が、より白に近い ・ 黒文字が、灰色に近い
StoryHD : 白地が、灰色に近い ・ 黒文字が黒に近い
肉眼では、一目瞭然でハッキリ違いがわかります。
解像度は別にした色の見え方として、どちらが見やすい・読書し易い・目が疲れにくい というのは、読む内容・読む明るさ環境・そもそもの好き嫌いなどの個人差があると思われます。 私個人的には、白地がより白っぽい KOBO Wi-Fiのほうが紙に近く、ちょっと暗い環境で読む際にも画面が明るい分読みやすいです。 StoryHdでの読書は、青っぽい灰色の地を見続けることによりメリハリが少ない分、眠くなりやすいというか。 文字の鮮明さ・可読性では、黒がハッキリしているStoryHDのほうが圧倒的に上なんですが、長文読書には KOBO WiFiの画面のほうがいい感じ。
もちろん、SVGA解像度で不快を感じない文字サイズの文章を読む場合に限ってのことです。
極端な例えですけど、2台を並べて床や机の上に放置し、ふと端末を遠くから眺めると、KOBO Wi-Fiの画面はコピー用紙のような白い紙があるように見えるのです。
ということで、KOBO Wi-Fiに限らず、StoryHD画面の白部分(下地の色)が気になっている人は、他機種や、安い旧機種を入手みるのもいいと思います。